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論文

Effect of calcium on niobium solubility in alkaline solutions

大平 早希; 阿部 健康; 飯田 芳久

Radiochimica Acta, 111(7), p.525 - 531, 2023/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

ニオブ-94($$^{94}$$Nb)のカルシウム,アルカリ性水溶液への溶解度は、セメント系材料を使用すると想定される中深度処分の安全性評価において、重要なパラメータの一つである。しかし、カルシウム,アルカリ条件におけるNb溶解度とその溶解度制限固相は、今だ不明な点が多い。そこで本研究では、0.001-0.1M CaCl$$_{2}$$水溶液において過飽和条件でのNb溶解度実験を系統的に行い、Nb溶解度制限固相について評価した。Nb濃度はpHとCa濃度に負の依存性を示し、沈殿固相のCa/Nbモル比は0.66を示した。Nb溶解度のpHおよびCa濃度依存性は、溶存種のNb(OH)$$_{6}$$$$^{-}$$と、Ca/Nb比が0.66を示すCa-Nb固相であるCa$$_{4}$$Nb$$_{6}$$O$$_{19}$$(am)との溶解反応で再現可能なことが確認された。

論文

Structural approach to understanding the solubility of metal hydroxides

小林 大志*; 中嶋 翔梧*; 元川 竜平; 松村 大樹; 斉藤 拓巳*; 佐々木 隆之*

Langmuir, 35(24), p.7995 - 8006, 2019/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:22.5(Chemistry, Multidisciplinary)

We report the hierarchical structure of zirconium hydroxide after aging at different temperatures to elucidate the factors governing zirconium solubility in aqueous solutions. Zirconium hydroxide solid phases after aging at 25, 40, 60, and 90$$^{circ}$$C under acidic to alkaline conditions were investigated using extended X-ray absorption fine structure (EXAFS) and wide- and small-angle X-ray scattering (WAXS and SAXS) techniques to reveal the bulk and surface structures of the solid phases from the nanoscale to submicroscale. After aging at 25 $$^{circ}$$C, the fundamental building unit of the solid phase was a zirconium hydroxide tetramer. The tetramers formed primary particles approximately 3 nm in size, which in turn formed aggregates hundreds of nanometers in size. This hierarchical structure was found to be stable up to 60 $$^{circ}$$C under acidic and neutral conditions and up to 40 $$^{circ}$$C under alkaline conditions. After aging at 90 $$^{circ}$$C under acidic conditions and at 60 and 90 $$^{circ}$$C under alkaline conditions, the WAXS and EXAFS measurements suggested the crystallization of the solid phase. The transformation of the solid-phase structure by temperature was discussed in relation to the solubility product to understand the solubility-limiting solid phase. The solubility of zirconium hydroxide after aging at different temperatures was governed not only by the size of the primary particles, but also by their surface configuration.

論文

Experimental study on long-term safety assessment considering uncertainties for geological disposal of radioactive wastes; JAERI status at 2005

山口 徹治; 坂本 好文; 飯田 芳久; 根岸 久美; 瀧 洋; 赤井 政信; 神野 文香; 木村 祐一郎; 上田 正人; 田中 忠夫; et al.

Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10

地層処分の長期評価では不確かさの定量化が必要である。日本原子力研究開発機構の確率論的核種移行評価は確率論的な評価結果の分布を計算するだけでなく、パラメータ不確かさやモデル不確かさを提示することができる。これにより、核種移行解析結果の不確かさに相関の大きいパラメータが明らかになる。これらのパラメータのうち、定量的に解明されていないものがわれわれの実験的研究の対象である。優先的に取り組むべき研究対象は具体的には、セメントの影響を受けた高pH環境下におけるベントナイト系緩衝材の変質,放射性核種の溶解度,ベントナイト系緩衝材中拡散,深地下の還元的環境を維持したまま採取した地層試料に対する重要核種の収着である。不確かさをもたらす原因としては、海水系地下水の浸入によるイオン強度の上昇,TRU廃棄物に含まれる硝酸ナトリウムの溶解に伴うNO$$_{3}$$$$^{-}$$, NO$$_{2}$$$$^{-}$$及びNH$$_{3}$$濃度の上昇,セメント系材料に起因する高pH環境,オーバーパック腐食に伴う間隙水化学組成の変化を考慮する。本論文はこの研究の現状を報告するものである。

論文

Evaluation of uncertainty associated with parameters for long-term safety assessments of geological disposal

山口 徹治; 水無瀬 直史; 飯田 芳久; 田中 忠夫; 中山 真一

JAERI-Conf 2005-007, p.150 - 155, 2005/08

この発表は、地層処分の地下水シナリオ評価の不確かさのうち、パラメータ不確かさを定量するための実験的研究について、その現状をとりまとめ、解決すべき課題を見極めるものである。はじめに不確かさの発生源,パラメータ不確かさと確率論的安全評価の関係,実験研究の優先順位の考え方を紹介した。次に、溶解度評価の不確かさ,ベントナイト系緩衝材中拡散係数評価の不確かさ,岩石への分配係数評価の不確かさについて、研究の現状を紹介した。溶解度評価の不確かさは、熱力学データの不確かさと、地下水化学環境条件評価の不確かさとから見積もられる。ベントナイト系緩衝材中拡散係数の不確かさは、それを決定する因子すなわち緩衝材の密度,モンモリロナイト含有量,間隙水化学組成,温度の評価の不確かさを総合することで見積もられる。岩石への分配係数の不確かさは、岩石の比表面積,地下水のpH,イオン強度,炭酸イオン濃度,コロイド生成,平衡からのずれの評価の不確かさを総合することで見積もられる。このような検討をベースに、今後の課題を抽出した。

論文

放射性廃棄物処分の長期的評価のための実験的研究,2; 核種移行データ取得研究

山口 徹治; 根岸 久美; 江橋 勝弘; 稲垣 真吾*; 柴田 光敦*; 田中 忠夫; 中山 真一

JAERI-Conf 2004-011, p.139 - 140, 2004/07

放射性廃棄物地層処分の安全評価における評価期間は数千年以上の長期に及ぶため、評価結果には種々の不確かさが含まれることになる。時間的・空間的な変動要因を特定し、それらが評価結果にもたらす不確かさを定量する必要がある(確率論的評価)。われわれは、安全評価結果(地下水シナリオ)との相関が高く、しかも現在の知見では不確かさが大きいパラメータ(溶解度,緩衝材中拡散係数,天然バリアへの分配係数)についてデータを取得し、パラメータの不確かさを低減するとともに、その不確かさを定量化して確率論的安全評価に提供することを目指して実験的研究を実施している。パラメータの不確かさを増大させる原因として、地下水の高pH化,廃棄体からの硝酸塩,塩水の影響,オーバーパック腐食を考慮している。本報告では平成16年2月までに得られた成果を発表する。

報告書

セメント系材料に対する核種の収着データベースの整備

加藤 大生*; 嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫; 本田 明

JNC TN8400 2001-029, 63 Pages, 2002/01

JNC-TN8400-2001-029.pdf:1.81MB

TRU廃棄物の処分システムにはセメント系材料の使用が考えられている。セメント系材料には収着により核種の移行を遅延させる機能が期待されている。このため、TRU廃棄物の処分システムの評価においては、セメント系材料に対する核種の分配係数Kd が重要なパラメータとなる。セメント系材料に対する核種の収着に関する研究は、国内外で数多く報告されている。したがって、既存の知見を整理し、核種の分配係数を把握しておく必要がある。本報告では、性能評価上重要となるC, Cl, Ni, Se, Sr, Zr, Nb, Mo, Tc, Sn, I, Cs, Sm, Pb, Ra, Ac, Th, Pa, U,Np, Pu, Am, Cm 等の元素を対象として、セメント系材料に対する分配係数を文献及び内部実験結果から抽出・整理し、収着データベース(SDB)としてまとめた。SDB 整備の過程で、Se, Tc, Pa, U, Pu, Np 等といった実験雰囲気や酸化還元電位により化学形態が変化すると考えられる元素について、実験雰囲気が制御された条件で得られた分配係数はいくらかあるももの、酸化還元電位が制御された条件で得られた分配係数はほとんどないことを把握した。また、Se, Mo, Sm, Cm, Ac の分配係数がこれまで測定されていないことが分かった。これらの元素のうち、Se及びMo について、OPC(普通ポルトランドセメント)に対する分配係数をバッチ収着実験により取得し、SDB に反映した。

論文

Effect of U(VI) concentration on equilibrium and kinetics in flow-extraction of U(VI) in HNO$$_{3}$$/supercritical CO$$_{2}$$+TBP system

目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行

Proceedings of International Solvent Extraction Conference 2002 (CD-ROM), p.1131 - 1136, 2002/00

10$$^{-3}$$M-10$$^{-1}$$M U(VI)を含む硝酸溶液と0.1-0.5M TBPを含む超臨界CO$$_{2}$$を用いて60$$^{circ}C$$,15MPaにおける両相間のU(VI)の分配比$$D$$を求めた。超臨界CO$$_{2}$$相中のフリーTBPの平衡濃度が減少するため、$$D$$はU(VI)濃度の増加とともにわずかに減少したが、検討した濃度領域では抽出化学種はU(VI)濃度に依存しなかった。$$D$$測定の結果から、UO$$_{2}$$(NO$$_{3}$$)$$_{2}$$(TBP)$$_{2}$$の超臨界CO$$_{2}$$中への溶解度が7$$times$$10$$^{-2}$$M以上であること、本実験条件下では、抽出錯体の超臨界CO$$_{2}$$中への飽和溶解は、U(VI)の超臨界CO$$_{2}$$相中への分配を制限する因子とならないことを確認した。フロー抽出系においてU(VI)の抽出効率(E%)と時間(t)の関係曲線を求め、この曲線からフロー抽出におけるU(VI)の分配比$$D_{flow}$$を計算した。$$D_{flow}$$$$D$$とよく一致し、このことはフロー抽出系においてもU(VI)の二相間分配が平衡に達していることを示唆した。

論文

The Solubility of metallic selenium under anoxic conditions

飯田 芳久; 山口 徹治; 中山 真一; 中島 知子*; 坂本 義昭

Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.663, p.1143 - 1149, 2001/00

セレン-79は、放射性廃棄物地層処分の安全評価において重要な核種である。地下水中のセレン濃度は、セレン又はセレン化合物の溶解度によって制限されると期待されており、溶解度が安全評価上重要な因子となっている。そのため、アルゴンガス循環グローブボックスを用いて、低酸素濃度環境下での金属セレンの溶解度を測定した。試験後の試験液中のセレン濃度は、既存の熱力学データから予想される溶解度よりも高かった。また、測定されたセレン濃度, pH, Eh及び酸化数分析の結果から溶存化学形と溶解反応を推定し、平衡定数を計算した。

報告書

高濃度溶解時におけるUO$$_{2}$$の溶解挙動評価試験

佐野 雄一; 新井 健太郎*; 桜井 孝二*; 柴田 淳広; 野村 和則; 青嶋 厚*

JNC TN8400 2000-032, 98 Pages, 2000/12

JNC-TN8400-2000-032.pdf:1.94MB

再処理プロセスへの晶析工程の導入時に必要となる高濃度U溶液の調製、さらにはその際の有効な手法の一つである粉体化燃料を対称とした溶解に関連し、U濃度が最大800g/Lまでの領域におけるUO2粉末の溶解挙動を明らかとすることを目的として、溶解挙動に及ぼす最終U濃度、溶解温度、初期硝酸濃度、粉末粒径及び燃料形態の影響について評価を行った。また、得られた結果をもとに高濃度溶解時における照射済MOX燃料の溶解挙動について評価を行い、晶析工程への高HM濃度溶液供給の可能性について検討を行った。試験の結果、最終U濃度、粉末粒径の増大及び溶解温度、初期硝酸濃度の減少に伴う溶解性の低下が認められた。さらに、UO$$_{2}$$粉末及びUO$$_{2}$$ペレットの高濃度溶解時においても、最終U濃度が溶解度に対して十分低い(U濃度/溶解度 $$<$$ 約0.8)溶解条件下では、fragmentationモデルに基づいた既報の評価式によりその溶解挙動の予測が可能であることを確認した。晶析工程への高HM濃度溶液(500g/L$$sim$$)供給の可能性については、従来の燃料剪断片を用いた溶解では、高HM濃度の溶液を得ることが困難(溶解時間が大幅に増加する)であるが、燃料を粉体化することにより速やかに高HM濃度溶液を得ることができるとの見通しを得た。粉体化した燃料の溶解時に懸念される溶解初期のオフガスの急激な発生は溶解条件を考慮することによりある程度回避できるものと考えられ、今後オスガス処理工程の最大処理能力を踏まえた上で溶解条件の最適化を進めることが重要となる。

報告書

無機水銀化合物の物理及び熱化学物性値集

小林 薫*; 神永 雅紀; 羽賀 勝洋; 木下 秀孝; 麻生 智一; 粉川 広行; 日野 竜太郎

JAERI-Data/Code 2000-037, 69 Pages, 2000/12

JAERI-Data-Code-2000-037.pdf:3.21MB

水銀を用いる核破砕ターゲットシステムの放射線安全を検討するためには、固体、液体、気体状の無機水銀化合物の物理及び熱化学データを準備する必要がある。そこで、文献調査を実施し、208個の固体状の無機水銀化合物、9個の液体化合物、22個の気体化合物についてデータを整備した。本報では、これら化合物の主要物性値である密度、融点、沸点、標準生成エンタルピー、標準生成ギブスエネルギー、定圧熱容量、蒸気圧、水銀の溶解度などを掲載した。特に、熱容量については、温度の関数であるKelley方程式で再評価した。蒸気圧は、上記の熱化学データを用いて、化学反応・平衡ソフトウェアHSCで計算した。水銀と水銀以外の元素の相互作用は2元状態図で示した。

報告書

地中水中における元素の溶解度及び化学形を推定するための熱力学データの検討,2; Np,Pu

山口 徹治

JAERI-Data/Code 2000-031, 131 Pages, 2000/11

JAERI-Data-Code-2000-031.pdf:5.61MB

放射性廃棄物の地層処分の安全評価において元素の溶解度は、放射性核種の移行解析のソースタームを与えるパラメータである。また放射性核種は地下水の化学的特性に応じてさまざまな化学形をとり、化学形に応じて移行特性も多様である。そこで、熱力学データを用いて溶解度を評価し、化学形を推定することが重要となる。溶存種及び化合物の熱力学データをNpとPuについて検討し、データベースとしてまとめた。地下水中で支配的になる可能性の高い加水分解種や炭酸錯体について重点的に検討し、そのほかの化学形については既存のデータベースにおける検討結果を取り入れてデータを設定した。第1編及び本報で検討したTc,U,Np,Pu,Am以外の注目元素については検討が未了であり、暫定的な利用のために付録としてデータを示した。

報告書

セメント用減水剤共存下でのCa型化ベントナイトに対するアメリシウムの分配係数測定試験

福本 雅弘; 西川 義朗*; 加川 昭夫; not registered

JNC TN8400 2000-017, 30 Pages, 2000/03

JNC-TN8400-2000-017.pdf:1.97MB

TRU廃棄物処分研究における有機物の影響評価の一環として、有機物であるセメント用減水剤(以下減水剤と記す)を用いアメリシウム-241(以下241Amと記す)のCa型化ベントナイトに対する吸着試験をバッチ法により行い、分配係数に与える減水剤の影響(減水剤の有無、減水剤濃度の違い、減水剤の種類(2種)の違い)について確認した。その結果、減水剤が共存しない条件での241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数(以下分配係数と略す)は1.2$$times$$103m3/kgより以上であったのに対し、減水剤の種類としてナフタレンスルホン酸系を用いた場合では、減水剤濃度の低い条件(0.3g/kg)では5.2$$times$$102m3/kg、減水剤濃度の高い条件(30g/kg)では2.0$$times$$10-1m3/kgの分配係数が得られた。減水剤の種類としてポリカルボン酸系を用いた場合では、減水剤濃度の低い条件(0.5g/kg)では1.3$$times$$103m3/kgより以上、減水剤濃度の高い条件(50g/kg)では1.8$$times$$10-1m3/kgの分配係数が得られた。尚、減水剤濃度は、一般的に水セメント比が1程度の場合、標準的な混練水中の使用濃度は10g/kg程度であることを参考に定めた。これらより、減水剤が共存することにより、241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数は低下すること、2種の減水剤間の分配係数の差はないことを確認した。また、減水剤濃度は分配係数に影響を与え、減水剤濃度の高い方が分配係数が小さい傾向がみられた。すなわち、減水剤は、高濃度であれば241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数に影響を及ぼすが低濃度であれば241AmのCa型化ベントナイトに対する分配係数にさほど影響を及ぼさないと考えられる。

報告書

CPFにおける照射済高速炉燃料溶解試験データの整理

佐野 雄一; 小山 智造; 船坂 英之

JNC TN8400 2000-016, 188 Pages, 2000/03

JNC-TN8400-2000-016.pdf:3.6MB

本資料は、これまでに高レベル放射性物質研究施設(CPF)において過去実施された照射済高速炉燃料を対象とした全溶解試験(ベンチスケール(燃料ピン単位)溶解試験及びビーカースケール(剪断片単位)溶解試験)の試験条件(燃料の製造条件、照射条件及び溶解条件)、及び試験結果を整理し、まとめたものである。

報告書

CPFにおける照射済高速炉燃料溶解試験データの評価

佐野 雄一; 小山 智造; 船坂 英之

JNC TN8400 2000-014, 78 Pages, 2000/03

JNC-TN8400-2000-014.pdf:2.13MB

CPFにおいてこれまでに実施された照射済高速炉燃料の各種溶解試験結果を対象に、U,Puの溶解挙動に影響を及ぼす各種因子について、fragmentationモデルに基づいた評価を行った。製造履歴に関わる因子(Pu含有率(Pu/(U+Pu))、照射履歴に関わる因子(燃焼度)、及び溶解条件に関わる因子(硝酸濃度、溶液温度及びHM(U+Pu)濃度)について、これらの影響を定量的に評価することにより燃料溶解速度の推定式を導入した。また、fragmentationモデル中に含まれるf値(硝酸の拡散及び燃料への浸透のしやすさを表すパラメータ)について、固液比、燃焼度及び燃料の粉化率との相関を検討、評価した。導出された推定式を用いることにより、表面積モデルに基づいた既存の推定式に比べ、これまでCPFにおいて実施された照射済高速炉燃料以外(未照射Uペレット、高Pu富化MOX燃料の溶解)を対象とした溶解においても本推定式の有効性が認められた。導出された推定式を用いた高濃度溶解試験時の溶解挙動評価からは、高濃度溶解時における燃料の溶解性低下が示された。燃料の溶解性は、酸濃度及び溶液温度を上昇させることによりある程度改善されるが、溶解槽等の機器材料への影響を考慮すると、f値を増加させる(剪断条件、攪拌条件等を最適化する)ことにより溶解性の向上を図ることが望ましいと考えられる。

報告書

超ウラン元素の溶解度に関する研究II

森山 裕丈*

JNC TJ8400 2000-050, 47 Pages, 2000/03

JNC-TJ8400-2000-050.pdf:1.49MB

高レベル放射性廃棄物地層処分の安全性評価に資するため、超ウラン元素の溶解度について研究した。還元性条件下においてPuO2・xH2Oの溶解度を測定し、溶解度積K0spおよびPu(OH)4の安定度定数$$beta$$4を求めた。得られたK/sup0/subspの値は、Raiらによって示されたイオン半径への依存性から推定される値に比べてきわめて小さいことを確認した。また、酸化性条件下においてPuO3・xH2Oの溶解度を測定し、溶解度積K/sup0/subspを求めた。アクチニドイオンの加水分解定数の解析においては、加水分解定数の系統性が有効電荷の概念を導入した剛体球モデルによってよく表されることを確認した。

報告書

核種移行評価データの信頼性確認(本編)

上田 真三*; 加藤 博康*; 黒澤 進*; 中澤 俊之*

JNC TJ8400 2000-002, 364 Pages, 2000/02

JNC-TJ8400-2000-002.pdf:16.99MB

核燃料サイクル開発機構では、第2次取りまとめにむけて核種移行解析に用いるパラメータの設定およびその根拠となるデータベースの整備を実施してきた。本研究では、これら設定パラメータや解析の前提となるコロイド・有機物影響シナリオの妥当性、信頼性を再確認するための試験を実施するとともに、データベースの公開に向けた品質保証の手続きに関する諸外国の事例調査を実施した。主な実施内容を以下に示す。1.核種移行パラメータの妥当性確認のためのデータ取得 ベントナイトおよび岩石に対する分配係数をNH4濃度およびpHをパラメータとして測定した。分配係数へのNH4+イオン濃度依存性が確認され、この傾向はpHにより異なることがわかった。計算された支配的溶存化学種と測定された分配係数の間には明瞭な相関性は確認できなかった。ベントナイトに対するAmの分配係数を硫酸イオンおよび炭酸イオン濃度をパラメータとして測定した。Amの分配係数の硫酸および炭酸イオンの共存の影響は小さいことがわかった。また、模擬海水液性でのベントナイト中のCsの見かけの拡散係数を取得し、純水液性での値に近いことを確認した。2.コロイドの核種移行に与える影響評価 コロイドが共存する場合の核種移行モデルの信頼性評価及び地下水コロイドに関する特性調査を行った。実験による検証の結果、Hwangらのモデル概念は妥当であることが確認された。また地下水コロイドは地下水の採取方法で濃度や粒径が異なるため、評価にあたっては採取に関わる手法が重要になることが判明した。3.溶解度に及ぼす有機物の影響評価 フミン酸共存下においてThの溶解度測定試験を実施した。地下水及びベントナイト間隙水環境を想定したpH環境ではフミン酸の濃度増加にほぼ比例してThの溶解度が増加した。炭酸イオンが共存する系ではTh溶解度は顕著に増加した。本研究での溶解度測定結果から、第2次取りまとめのTh溶解度の設定値は、地下水中でのフミン酸の存在を考慮しても十分保守的に設定されていることを確認した。4.核種移行に関するメカニスティックモデルの再評価と今後の方向性の提示 圧縮ベントナイト中の溶解性不純物を考慮して、FRHP地下水中のAm、Pb、Ra、Cs、HSe-及びHTOのKd、Da及びDeをモデルを用いて評価し、評価値がJNCによって選定されたデータを裏付けていることを確認するとと

論文

Thermodynamics of neptunium in LiCl-KCl eutectic/liquid bismuth systems

坂村 義治*; 白井 理; 岩井 孝; 鈴木 康文

Journal of the Electrochemical Society, 147(2), p.642 - 649, 2000/02

 被引用回数:20 パーセンタイル:61.09(Electrochemistry)

使用済燃料の乾式再処理における基礎知見として、400~500$$^{circ}$$CにおけるLiCl-KCl共晶塩/液体ビスマス系でのネプツニウムの熱力学的特性を調べた。LiCl-KCl系でのネプツニウムの標準酸化還元電位は、E$$^{0Np/Np(I}$$II$$_{=}$$-2.0667+0.0007892$$times$$T(Ag/AgCl参照電極に対して、T:温度)であった。液体ビスマス上の電位は、ビスマス中のネプツニウムの濃度の関数となるが、これを解析したところ、ビスマスへのネプツニウムの溶解度は、400,450及び500$$^{circ}$$Cでそれぞれ0.34$$pm$$0.02,0.61$$pm$$0.08及び1.06$$pm$$0.09であった。液体ビスマス中のネプツニウムの過剰化学ポテンシャル(自由エネルギー)は、$$Delta$$G$$_{Np}$$(kcal/g・atom)=-32.5($$pm$$0.7)+0.00723$$times$$Tであった。これらの値は、ウランよりむしろプルトニウムに近いものであった。

論文

表面拡散研究会の海外調査; Migration'99会議に参加して

山口 徹治

原安協だより, (173), p.11 - 14, 2000/01

平成11年9月26日から1週間、米国、ネバダ州レイクタホにおいて開催されたMigration'99(地圏におけるアクチニド元素と核分裂生成元素の化学と移行に関する第7回国際会議)に参加した。原子力安全研究協会の表面拡散研究会の成果の一部を発表し、諸外国の専門家と議論するためであった。筆者は、花崗岩内におけるバリウムイオンの拡散について表面拡散が寄与することを示した実験結果についてポスター発表した。この国際会議は放射性元素の地中挙動評価に対する科学的な裏付けを、最も精力的に議論している国際会議である。発表件数274件、参加者は300余人を数えた。内容的には、溶解度・溶解反応,酸化還元反応,収着現象等の研究において新しい分析手法の発達により反応のしくみが明らかにされつつあること、吸着モデルが開発段階から検証,応用段階へと進みつつあること等が印象的であった。

報告書

The Development of MESHNOTE Code for Radionuclide Migration in the Near Field

若杉 圭一郎; 牧野 仁史; Peter*

JNC TN8400 99-095, 69 Pages, 1999/12

JNC-TN8400-99-095.pdf:10.06MB

ニアフィールド中核種移行解析コードMESHNOTEは、人工バリア中での核種移行に係わるガラスの溶解、緩衝材中の核種の移行、周辺岩盤への核種の放出を解析するために、QuantiSci社との共同で開発したコードである。MESHNOTEは一次元円筒座標系において有限差分法を用いることにより、物質の拡散移行問題を数値的に解く。MESHNOTEは以下の特徴を有している。●複数崩壊連鎖、緩衝材への線形・非線形収着、溶解度による核種濃度の制限を考慮して、核種が緩衝材中を拡散により移行する過程を解析できる。●複数崩壊連鎖については、崩壊系列において同一の親核種からの複数の娘核種の生成(崩壊分岐)、ならびに複数の親核種からの同一の娘核種の生成(崩壊合流)を考慮することができる。●緩衝材中の拡散による移行の境界条件となる、ガラス固化体からの核種の溶出と緩衝材からの周辺岩盤への核種の放出を現象に即して取り扱うことができる。●溶解度、収着定数、拡散係数など核種移行特性を支配する主要パラメータの時間・空間依存性を考慮した解析が可能である。・ユーザーの指定した許容誤差範囲に基づき、各時間ステップにおける解の精度を監視しながら時間ステップを自動的に増加させ、効率的に解析を実施することが可能である。本報告書では、MESHNOTEの概念モデル、数学モデル、数値解法について示すとともに、解析解や他のコードとの比較により、MESHNOTEが有する種々の機能について検証する。

論文

Migration '99参加記

山口 徹治

原子力バックエンド研究, 6(1), p.147 - 149, 1999/12

1999年9月26日から10月1日まで、米国ネバダ州レイクタホにおいてMigration '99(地圏におけるアクチニド元素と核分裂生成元素の化学と移行に関する第7回国際会議)が開催された。この国際会議は放射性元素の地中挙動評価に対する化学的裏付けを、最も精力的に議論している国際会議である。8時から18時まで参加者全員が一同に会するというスタイルで18のセッション(口頭発表65件)が行われた。また初日と2日目には19時半から22時半までポスターセッションが行われ、熱心な議論が交わされた。発表件数は274件、参加者は303名を数えた。内容的には、溶解度・溶解反応,酸化還元反応,収着現象等の研究において新しい分析手法の発達により反応のしくみが明らかにされつつあること、吸着モデルが開発段階から検証・応用段階へと進みつつあること等が印象的であった。有意義な意見交換の場面が随所に見られた良い会議であった。

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